AS診への手紙



 お変わりございませんか。○○でございます。
 会員の掲示板でいろいろお伺いをしておきながら つい体調をくずしておったため、ご返事が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
 その節はありがとうございました。

 貧血の症状も投薬の結果、数値が14.0にまで回復してまいりましたし、 検便の陽性反応も胃や大腸からの出血ではなく痔核が腫れており、 それが敏感に反応したのだろうと今その治療をつづけております。
 お蔭様でASのほうは若干首の回転に支障がある程度で 体に痛みもなく普通の生活ができ喜んでおります。

 ところで先日、××新聞の一面の最初に大きく リウマチ治療薬を服用後に134人死亡、造血機能が低下と載っておりました。
 読んでみますとメトトレキサート(リウマトレックス®) の副作用のようでした。
 私も先生のところへお邪魔する前までこの薬を服用しておりましたが、 貴方には強すぎるからと先生からボルタレンの処方をしていただきました。
 痛みもなく普通の生活ができるのも先生のお陰と感謝しております。
 ありがとうございました。

  お礼とお詫びまで


事務局返信

 お手紙、ありがとうございました。
 どんな薬にも副作用は必ずあります。
 ボルタレンだって、けっこうあります。死亡例だってあります。
 従って、3ヶ月に1度は、血液・尿検査、 さらに胃腸症状がなくとも年に一度は胃内視鏡検査を受けて下さい。 私自身もそうしています。

 メトトレキサートだって、本当に必要かつ有効なら、 副作用に十分注意を配りつつ使っても良い、いや使うべき薬だと思います。 AS診を受診されている患者さんにも、 稀ではありますが使うべき人には使うことがあります。
 ただ、○○さんの病状にはリウマトレックス®まで 使う必要がないと考えられただけです。

 ボルタレンも、リウマトレックス®も、 そして最近出始めた生物学的製剤であっても、 病気を根本から治す薬ではなく、結局は、 その場凌ぎの対症療法に過ぎません (痛みを和らげておいて、どんどん体を動かし、 社会活動をして病気なりに充実した人生を送るためと言える)。
 今後も病気とは長い付き合いになりますので、 薬は必要最低限の量でなんとかコントロールして行くよう心がけて下さい。

 痛みが軽くて十分に動けるなら、 ボルタレンを減量もしくは一時中止でもかまいません (ただし、主治医の了解のもとで)。  鎮痛の目標を0/10に設定するのではなく、 なんとか我慢できて日常生活や仕事ができる3〜4/10程度に掲げて、 必要最低限量をうまく使って、充実した人生を送って下さい。
 ASの主人は患者さん本人です。

 ただし、この話は、あくまでも私の学識、臨床経験、 そして患者体験からのものです。異なる考え方・治療方針の医師も いることをご承知おき下さい。
 また、欧米のAS治療指針と違うところがあります。
 いずれ、日本における日本人のAS患者にあった治療方針を 作らなければならないと思っています。


戻る

トップページへ戻る